著者
宮里 心一
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.51-60, 2011-03-15

産学共同研究の一部が、工学設計IIIの研究プロジェクトになる場合がある。すなわち、学生は教員ならびに共同研究先の企業人とチームを組み、プロジェクトが推進される。したがって、その結果として研究成果が挙がるとともに、学生にとっては教員のみならず企業人からも教育的指導を受けることによる能力向上が期待できる。本論文では後者に注目し、産学共同研究プロジェクトに参画した5人の4年生に関する教育効果を整理した。すなわち、教員のみならず企業人も、学生のエンジニアリングデザイン能力(2点)と人間力(3点)の計5つの観点に関して3度に亘り評価し、その後に学生も自己評価する教育システムを試行した結果を分析した。その結果、共同研究プロジェクトを通じた産学連携による教育は、学生の能力向上に大いに役立つことが明らかになった。
著者
多田 治夫
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.93-99, 2008-06-01

わが国の大学生の死因の第一位は自殺である。大学生を自殺へと導く危険因子としては、学業不振と対人関係困難の二つが指摘されている。大学側の自殺防止努力のガイドとなるような研究を進めることが大切であるが、教職員や学生相談担当者の活動も重要である。
著者
札野 寛子
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.17-29, 2013-03

2012 年1 月に金沢工業高等専門学校が、初の試みとしてニュージーランドの協力協定校の学生を数名受け入れ、地元の精密機械企業で3 週間実地研修を行うインターンシッププログラムを実施した。そのプログラムに先立って、本学では日本語学習の初心者であった学生らを「研修生」として受け入れ、筆者らがのべ10 日間の事前日本語・日本文化指導を担当した。本論では、学生らと企業研修指導者へのアンケートやインタビュー回答、その他のデータをもとに、今回初めて実施した事前指導での学習内容が適切なものであったかを質的に検証する。そして、今回の事前指導ではどのような条件にもとづいて指導内容が計画されたか、あるいは企業研修での実情を踏まえると考慮すべきであったか、カリキュラム内容を左右する条件を吟味する。
著者
佐藤 進 鈴木 貴士 川尻 達也 山口 真史 陳 淑茹 木村 竜也 長山 恵子 村本 美春 平泉 隆房
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.157-166, 2014-03

本研究では、友人とのコミュニケーションのない学生に焦点をあて、彼らのメンタルヘルスの特徴について検討した。約4%程度の学生が友人との会話がないと回答した。彼らはinactive/uncommunicativeな活動を一人で行う傾向にあり、他者との接触機会が少ないと考えられた。また、ストレスに対し、Negative対処行動をとる傾向が強かった。彼らのストレス度、疲労度、うつ度は高く、4人に一人から5人に一人は加療を要する水準にあった。大学内でのソーシャルサポート体制を検討し、彼らに対するストレスマネジメントが必要と考えられる。
著者
久恒 彩子
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.49-61, 2004-03

金沢工業大学では、入学後の春学期に、全ての学生がプレースメント英語を履修する。約千七百名の学生が、二回にわたって行われるレベル分けテストによって英語I、II、IIIに、それぞれ分けられる。自分のレベルにあった英語の課程が始まると、語学学習法を紹介する時間は、授業中にはほとんど無い。春学期のうち二週間だけがレベル分けテストに割り当てられているので、残りの学期は学生にとって、いろいろな語学学習法を学ぶことに専念できる最適な機会だと言える。本論説は、外国語としての英語をまなぶ授業で、学習する者がどのように効率的な学習法を見につけ自立していくか、その方法を紹介する。学生にとって語学学習法を習得することは大切だが、語学教育者にとっても学生の経歴、学習様式、動機レベルなど、語学を教える前に把握しておくことも、同じく、或いはそれ以上に重要である。学期の最初に行ったアンケートにより、学生が既にどのような語学学習法を使っているかを調べた。学期中には様々な学習法が紹介され、学期の最後には、語学学習法と英語に対する意識がどのように変化したかを調べるために再度アンケートを行った。計493人の学生が、著者が担当したプレースメント英語の授業を履修した。そのうち学期の最初と最後に行ったアンケートの双方に答えた463名のデータが本研究に使われている。本研究は、次の三つの答えを模索する。(1)学生の言語運用能力を向上させる語学学習法/(2)学生の英語に対する意識が語学学習法の習得後に変わるかどうか/(3)レベルが著しく異なる学生に対しての有効な語学学習法の教え方 t分布の結果は、語学力、動機共に低い学生の英語に対する意識が、語学学習法を学ぶことによってどれだけ変わったかを表している。自分に適した語学学習法を認識し、今後に生かす学習法を理解したことにより、学生は進んでそれらを使うようになった。様々な学習法を習得することは、学生が人生の早い時期に自立した学習者になるために、必要不可欠な道具になりえると言える。
著者
陳 淑茹
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.63-73, 2010-03-31

"Hi, my dear students, let's speak in English!" Many English teachers in English classes across Japan find it is easy to say but extremely difficult and frustrating to implement it. In this paper, the writer tries to explore what workable and efficient methods are to help our Japanese learners of English build their confidence and thus change their attitudes toward speaking English. The method that the writer used and conducted, prior or after English class, to elicit her Science and Engineering students to speak in English will be discussed in this the paper. In addition, the factors influencing students' attitude toward speaking English out aloud will also be mentioned but will not be mainly discussed in this paper since it is not the main issue of this paper. The student (learner) subjects the writer refers to in this paper are Science and Engineering college freshman students, who have been learning English for at least six years prior to their enrollment in college. This group of students is always thought to be a bit negative toward English-learning than humanities majors, since they are more knowledgeable and perform better in Science or Engineering courses/areas. However it is, perhaps, inevitable that they will have to communicate with foreigners in English some time in workplace in future. Therefore, no matter how superior their knowledge is about their professionals, if they can not express their own ideas/opinions or convey their messages on their own to foreign engineers or scientists, then for sure, it will turn into a burden or harm their career. With this in mind, in this paper, the writer aims at finding ways to reduce students' anxiety, and consequently build their confidence in using and speaking English in their everyday lives.
著者
堀田 英一 宮田 孝富
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.191-203, 2014-03

本稿は,数値計算のための代表的なプログラミング言語やツールを,共通の問題を扱うことにより評価し,その結果を比較検討することによって,工学系大学における数値計算教育における言語やツールとして,何がどういう目的に相応しいかに関して見通しを提示することを目的とする.
著者
野口 啓介
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.15, pp.75-84, 2008-06-01
被引用文献数
3

e-ラーニングの一つのシステムであるWebCTを電子回路授業に用い、学習教材と小テストを学生に提供することにより自学自習の促進を図っている。ここでは学習教材と小テストの作成について示すと共に、WebCTの教員側の機能を用いた学生の学習状況の調査例について報告する。さらに、平成15年度から19年度までに実施したWebCTに関するアンケート調査をまとめ、その代表例について集計結果を示す。
著者
西田 昌彦
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.59-79, 2008-03-01
被引用文献数
3

平成16年度から18年度にかけて担当した1年次生に対する工学基礎物理の授業において、授業改善の試みとして3年間で授業のやり方を少しずつ変えてみた。平成16年度は自然法則や理論の解説を中心とし、平成17年度は演習問題の解法に重点を置き、平成18年度では両年度のやり方のバランスをとり、自然法則や理論の解説を中心としながらも演習問題の解法にも意を用いた授業を実施した。本論文では、過去3年間の工学基礎物理の授業において、授業の主たるやり方の違いに伴って学生による授業評価や成績との相関がどのように変わるかを分析した結果を報告する。まず、平成18年度の授業評価を主成分分析し、平成16、17年度の分析と比較した。分析によれば、授業のやり方を変えたにもかかわらず、第1主成分(授業の良さ)と第2主成分(学生の基礎学力)の基本的性格は年度によってはほとんど変わらない。しかしながら、重要な点に著しい違いがあることが分かった。それは、第2主成分と「授業への真剣さ」との問の相関において、平成16年度には正の相関があり、平成17年度には負の相関があるのに対して、平成18年度にはほとんど相関がないという点である。一方、演習問題解法に対する学生の達成感に対する重回帰分析によれば、学生の達成感は授業評価データと密接な関係がある。ところが、試験の成績に対する重回帰分析によれば、平成18年度では試験の得点と授業評価データとの間にほとんど相関がない。この点は平成16年度の分析とはかなり異なるが、平成17年度での分析とよく似ており、平成18年度の授業のやり方でも、試験の成績が大きく向上した平成17年度と同様の教育的効果が得られることが判明した。
著者
出原 立子 郭 清蓮
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.11, pp.147-156, 2006-03-01

金沢工業大学情報フロンティア学部メディア情報学科2年生を対象にした専門基礎科目「コンピュータグラフィックス演習」において行った、CGの表現技法と技術理論の習得を目指した教育実践について報告する。本科目では、工学系大学におけるCG導入教育として、技術理論を踏まえた実践的表現技法の習得をいかにして行うかを教育目標とし、テキストベースの講義と3DCGソフトを用いた演習からなる授業を行った。本稿では、その教育実践とその学習評価について、CGの表現技法と技術理論の学習評価の相関調査の結果、ならびに学生アンケートについて報告する。また、今回用いた課題作品を効率的に評価するための方法についても報告する。
著者
谷 明彦 増田 達男 下川 雄一
出版者
金沢工業大学
雑誌
KIT progress : 工学教育研究 (ISSN:13421662)
巻号頁・発行日
vol.12, pp.121-130, 2007-03-01

金沢の街は藩政時代の城下町の歴史を残しているところに特徴がある。しかしながら、高度経済成長期以降の人口の流出に伴って、月極駐車場の増加等、空間的にも空洞化が著しい昨今である。一方、これまでの城下町研究および建築遺構の調査を通して、藩政時代の城下町の姿が次第に明らかになりつつある。そこで、歴史の喪失とは正反対に、3次元のコンピュータ・グラフィックス(CG)によって、城下町金沢の空間を復原しようとする歴史創出プロジェクトの試みを紹介するものである。GIS(地理情報システム)上で、城下町金沢の正確なデジタル地図を制作し、これをベースとして、かつての代表的な武家屋敷、足軽屋敷、町家等を3次元CGによって建て並べる景観シミュレーションである。幅広い層や学際的な利用等、新たな歴史情報の可能性を展望するプロジェクトである。